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函館「食」ニュース

函館のこだわり食材「夏の鱈」を使った料理実演講習会

レポート
2019/09/18
函館のこだわり食材「夏の鱈」を使った料理実演講習会
2019年9月3日、「おいしい函館 料理実演」が函館短期大学付設調理製菓専門学校で実施されました。今回のテーマは、「夏の鱈(たら)」。当日は、市内の料理人や飲食店関係者、同校で研修中のシンガポールの学生ら41名が参加しました。まず、函館近海で水揚げされる活魚を、神経〆の処理をすることで付加価値を高める取り組みの紹介。水揚げされたままの新鮮なものと、神経〆して数日間熟成させたものの食べ比べも行いました。次に、一般に冬の魚とされる鱈が、夏においしい理由が紹介され、この魅力を生かした料理を和・洋・中3人の料理人が実演。函館のこだわり食材「夏の鱈」料理を学ぶ機会となりました。
 
■ 函館の夏鱈の魅力
一般には鍋料理などで人気の鱈は、「鱈腹(たらふく)食べる」と形容されるほど、夏の時期から旺盛な食欲で身を肥やして冬の繁殖に備えます。夏にはまだ卵や白子(精巣)は楽しめないものの、冬に比べて身質が非常によく、刺身をはじめ白身を使う料理では、冬時期よりもむしろおいしく食べられます。とりわけ函館近海の鱈漁は、はえ縄や一本釣りで行われることから鮮度がよく、魚体に傷の少ないものが水揚げされます。また、漁場から市場が近く、さらに空港も近くにあることから、高付加価値の鱈を首都圏などにいち早く出荷できるメリットもあります。「神経〆」などの鮮度保持の工夫もあり、東京の料理人などから高い評価を得ています。
 

ヒラメやソイなど函館近海の活魚を神経〆して、国内各地、さらには海外へも出荷する坂井貴博さん(坂井鮮魚店)。魚の「神経〆」について説明し、目の前でその作業を披露。神経〆を行ってから料理に使われるまでの時間や、料理法などを考慮して、いくつかの手法を使い分けているとのことでした。
 
続いて、3人の料理人による鱈料理の講習と試食が行われました。
 
■<和食>鱈ずんだ餅包み トマト旨味赤出汁餡掛け ~二種類の紫蘇の香り~
講師:菊池隆大さん(炭火割烹 菊川)
 

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菊池さんからは、「鱈を昆布締めするときは、昆布の風味が移るまで置いたほうが加熱したときにおいしくなる」とのアドバイス。
 
■<洋食>夏タラのムニエル カツオ風味のクリームソース添え
講師:吉田徹さん(函館短期大学付設調理製菓専門学校)
 

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受講者からは、「牛乳と鰹節を合わせたソースが斬新で、かつ簡単なレシピだったことが良かった」との感想が聞かれました。
 
■<中華>鱈魚海藻吐司(シュィユイハイソゥドウス) 真ダラのアカモク入りサクサクトースト揚げ
講師:木村史能さん(函館国際ホテル)
 

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食パンにのせた鱈などの具材をホイップした卵白で覆い、いったん蒸してから油で揚げて仕上げます。サクサクとふんわり、二つの食感の中から、鱈とアカモクのうま味があふれ出てきます。
 
今回の参加者で、函館市内で和食料理店を経営する岸部悟司さんは、「自分とは違うジャンルの料理人の技術やアイディアを知ることで、新しい料理法を見つけるヒントが得られた」との感想を語っていました。