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第7回世界料理学会 in HAKODATE開催、31人の料理人らが登壇

レポート
2018/05/20
第7回世界料理学会 in HAKODATE開催、31人の料理人らが登壇

2018年4月23日・24日、函館市芸術ホールにおいて、第7回世界料理学会 in HAKODATEが開催されました。この催しは、函館の有志が実行委員会を結成して9年前から実施しているもので、一年半ごとに定期開催し、これで7回目となります。今回は「山菜」をテーマに、海外からのゲストを含めて料理人ら31人が登壇。全国から集まった約700人の聴衆を前に、15の個人発表と6つのトークセッションが展開されました。発表は、地域の風土や調理の様子などを紹介する美しい映像の上映や、料理人の哲学を熱く語るもの、調理方法・理論を詳しく説明するものなど、多彩な内容でした。
 

4月23日夜には、レストラン五島軒で交流パーティーを開催。参加者たちは、ゲストシェフのレシピによる料理などを味わい、スターシェフたちとの交流を楽しんでいました。また24日には、隣接する五稜郭タワーで「北海道・青森県食材見本市」(主催:北海道渡島総合振興局・檜山振興局ほか)も開催。生鮮食材の生産者など30の事業者が出展し、登壇の料理人や料理学会を訪れた食のプロたちに、自慢の品をアピールしていました。
 

第7回世界料理学会のFacebookページには、各発表のレポートが掲載されています。
https://www.facebook.com/wcam7hakodate/

 


スペインからのゲスト、ルシア・フレイタス・ロドリゲスさん(レスタウランテ・ア・タフォナ・デ・ルシア・ロドリゲス)。「流行ではなく、地元に根付いたものを重視し、素材に対して敬意を払う」との姿勢を述べたうえで、魚料理を中心にした3皿を紹介。また、スペイン・ガリシアの海のハーブを紹介しました。

 


三國清三さん(オテル・ドゥ・ミクニ)。世界のグランシェフたちとともに働いた若かりし頃を振り返りつつ、今の料理への変遷を紹介。「世界のミクニ」と呼ばれる所以に、あらためて触れる機会になりました。

 


青森県の世界自然遺産・白神山地で活動するマタギ(東北地方で独特の伝承を持つ山の猟師)、工藤茂樹さん(白神マタギ舎)。ダムに沈んだ故郷のことや、山とともに生きる伝統の暮らしや山菜の利用などについて発表。

 


谷 昇さん(ル・マンジュ・トゥー)と高田裕介さん(ラ・シーム)のスペシャルトークセッション。料理への向き合い方や、料理人の生き方などにも斬り込む内容。二つの世代のスターシェフが率直に語り合う姿に、感銘を受けたとの声が聞こえました。

 


地元を代表しての個人発表は、大桐幸介さん(チッチョ・パスティッチョ)。自生する果実クマイチゴやフキノトウを用いたスイーツなどについて紹介。

 


テレビのバラエティ番組でも活躍中の奥田政行さん(アル・ケッチァーノ)。店をオープンした頃、元手のかからない山菜を摘んでメニューづくりをしてきたという経験を語り、食べられる野草の見分け方などを紹介。また調理法を体系的に整理するなど、ユニークかつパワフルな発表に聴衆は釘付け。

 


シモーネ・カンタフィオさん(ミシェル・ブラス トーヤ ジャポン)は、山野草の料理で美食の世界を席巻したフランスの料理人ミシェル・ブラスさんの愛弟子。現在、北海道洞爺湖町にあるブラスさんのレストランの料理長を務めています。ブラスさんとのエピソードなどを交えて、山野草を用いた3皿を紹介。

 


京都の和食料亭主人・村田吉弘さん(菊乃井)は、壇上で山菜を盛り付ける魅力的なデモンストレーション。調理の様子は、生中継と美しいプレゼン映像が交互に映し出されました。

 


東京から参加の山中一男さん(中国料理 古月)は、中国料理における薬膳のなかでの山菜の位置づけや役割について詳しく解説。専門的な話題でありながら、どのジャンルの料理人にも分かりやすく、中国料理の魅力に引き込まれる内容でした。

 


ホールでの個人発表と並行して、別会場ではトークセッションのプログラムも進行。24日午後には、函館から川村淳也さん(マルヒラ川村水産)や下山明仁さん(漁師・第21明宝丸)も登壇して、「目利きの極意」をテーマにしたセッションが行われました。

 


初日の夜、五島軒本店で開催された交流パーティー。スターシェフと間近で触れ合える機会とあって、大賑わい。

 


交流パーティーでは、五島軒の料理のほか、多彩な料理人のレシピによるピンチョーをビュッフェスタイルで提供。

 


北海道・青森県食材見本市は、シェフや来場者が生産者と直接触れ合い、意見交換ができる機会。ここでの出会いから新しい料理の発想が生まれることも。写真はジェットファームのアスパラを手に取る秋山能久さん(六雁)。

 


2日間にわたるプログラムを終えての記念撮影。次回2019年秋の開催に向けて、準備が始まります。

 

(写真提供 : 世界料理学会 in HAKODATE実行委員会)