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センチュリーマリーナ函館 平山 桜菜(ひらやま あやな)さん

平山 桜菜(ひらやま あやな)さんの写真

小学生の頃から料理を作ることが趣味で、「好き」というたったひとつの理由で料理の世界に飛び込みました。趣味を仕事にしてしまうと嫌いになってしまうのではないかと不安もありましたが、自分の中で一番好きなことは料理なので、自分を信じて料理の仕事を選びました。

趣味で料理をしてきた私と、専門学校で調理師の勉強をしてきた同期とでは、素人と「プロの一歩手前」くらいの違いがあると感じます。それでも、どんなに分からないことがあっても上司や先輩がきちんと教えてくれるので、苦にはなりません。むしろ、これまでできなかったことができるようになるのが楽しく、やりがいがあります。

普段は、材料のカット、盛り付け、翌日の仕込みなどを中心に担当しています。どちらかといえば地味な仕事ですが、「何々をやっておいてね」と上司や先輩たちから声を掛けてもらえる、頼られる存在なんだと考えれば、自分も役に立てていることを実感できます。

平山さんが野菜をカットしている写真

私にとって、料理長や副料理長は親のような存在です。社会人1年目の私に、「郷土料理コンクール」(2020年11月)への参加を勧めてくれたのは料理長でした。函館の若手料理人が技術を競うこのコンクールで、私は洋食料理部門の函館市長賞をいただくことができました。最年少での受賞だと後から知り、自分でも驚きましたが、料理長をはじめ、応援してくださった方々の支えがあったおかげだと感謝しています。

私の好きな言葉は、「大切なのは、自分が自分であること」。料理の道は正直言って厳しいですし、料理がどれだけ好きな人でも、嫌いになる時がくると思います。「料理が好き」という思いだけでこの世界に入った私もそうでした。それでも、自分で自分を応援しながら続けているうちに、いつの間にかその「嫌い」がやりがいに変わっていました。なぜこの仕事に就いたのだろうかと自分を見つめ直した時、行き着く先はやはり「料理が好き」という思いでした。初心に返れば、大変な時もくじけずにがんばれるはず。きっと、コックコートを着られることが誇りになると思います。

(取材時期:2021年3月)