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自然の恵み旬食材

ここ函館・道南は、大きな半島地形が生み出す食材の宝庫。
海の恵み、山の恵み、そして畑の恵みが盛りだくさん。

ユーモラスな姿が特徴。コラーゲンたっぷりのごっこ汁が美味

ごっこ

ごっこ

函館の冬の風物詩

函館市恵山地区では、冬になるとユーモラスの姿をした珍魚「ごっこ」が揚がります。七福神の布袋様のようにふくよかな体型から、一般にはホテイウオと呼ばれますが、函館周辺ではこの名で親しまれています。道南各地や東北地方でも多少漁獲はありますが、特にこの地域ならではの海の恵みで、ラグビーボールをひと回り小さくしたような魚体や顔立ちが実にユニーク。体はあんこうのように粘膜に覆われ、非常にやわらかです。腹には岩場にくっつくための吸盤を持っていて、普段は水深100mほどの深めの海域で生活していますが、産卵期(12~4月ごろ)になると、オス、メスともに海岸沿いの岩礁帯を目指して、ふわふわと浅瀬に近づいてきます。これを刺し網漁で水揚げ。函館市やその近郊では、そのままの姿でもよく店頭に並び、冬の風物詩のひとつになっています。

コラーゲンたっぷり、独特な口あたりの食材

調理する際には、まず熱湯をかけて粘膜を取り除きます。プルプルとしたやわらかな皮には、コラーゲンがたっぷり含まれています。身をぶつ切りにし、魚卵も入れて醤油や味噌味の汁で食べるごっこ汁は、家庭や居酒屋などで味わえる冬の人気メニュー。その白身は味わい深く、ぷるぷるの皮やプチプチとした卵の食感を楽しめ、軟骨もまるごと食べられます。そのほか、函館のレストランでは中華料理の食材に使ったり、ブイヤベースにして提供する店もあります。函館ならではのユニークなメニューといえるでしょう。毎年2月上旬には、ごっこが主役の「恵山ごっこまつり」も開催されます。

漁業者から

以前は漁師だけが食べたもの。いまは地域の盛り上げに一役

松本 良一

松本 良一さん

函館市日浦町 漁師

以前は漁師だけが食べたもの。いまは地域の盛り上げに一役

ごっこは昔から獲っていたのですが、漁師が自宅で食べる魚でした。これを市場に出荷するようになったのは今から約30年前。1991(平成3)年、漁協や商工会が協力して「恵山ごっこまつり」を開催し、さばき方やレシピをPRしたことに始まります。ごっこ汁が人気となり、今では恵山地区の名物として、地域の盛り上げに一役買うほどになりました。漁師料理としては、干したごっこの甘露煮などもありますが、皆さんに親しんでもらえるのは、やはりごっこ汁。函館・道南ならではの料理で、冬の時期にしかないものなので、運よく見つけられたらぜひ食べてみてください。

岸からごく近いところに網入れすると、産卵のため岩場に寄ってきたごっこが掛かります。一夜明けて網揚げし、そのまま浜へと運ばれます。

岸からごく近いところに網入れすると、産卵のため岩場に寄ってきたごっこが掛かります。一夜明けて網揚げし、そのまま浜へと運ばれます。

網を浜に揚げた後の仕事は、女性たちに託されます。丁寧に網から外され、オス、メス、サイズごとに分けられて出荷されます。

網を浜に揚げた後の仕事は、女性たちに託されます。丁寧に網から外され、オス、メス、サイズごとに分けられて出荷されます。

漁期には、メスは腹にたっぷりの卵を抱いており、ずっしりしたと重みが感じられます。

漁期には、メスは腹にたっぷりの卵を抱いており、ずっしりしたと重みが感じられます。

ぷるぷるしたごっこの食感が印象的なごっこ汁。スーパーなどでは、さばいて部位ごとに盛られ、すぐに使えるごっこ汁用のセットも販売されます。

ぷるぷるしたごっこの食感が印象的なごっこ汁。スーパーなどでは、さばいて部位ごとに盛られ、すぐに使えるごっこ汁用のセットも販売されます。

ごっこについて

主な産地
函館近海の津軽海峡および噴火湾
漁期
12~3月
代表的な生産者
えさん漁業協同組合
住所
北海道函館市大澗町51-4
電話番号
0138-84-2231
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