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函館の料理人が考案した「昆布料理コレクション」

レポート
2018/09/27
函館の料理人が考案した「昆布料理コレクション」

函館は、国内昆布生産量の15%を占める日本一の昆布産地です。上品かつ甘みのある味わいが特徴の「函館真昆布」や、水に浸すと驚くほどの強い粘りが出る「がごめ昆布」が人気ですが、その多くは本州に出荷され、実は函館市内での昆布消費量は多くありません。「もっと、函館産昆布を使った料理を」と、函館の料理人たちが考案したオリジナルの昆布料理をご紹介します。

 

■ 2種類のコンブを用いた海鮮サラダ


函館市が2018年7月に開催した「おいしい函館バスツアー」に参加した、ロワゾー・パー・マツナガのシェフ松永和之さんは、2種類のコンブを用いた海鮮サラダを考案。色鮮やかな旬の野菜に、細く刻んだ若葉の剥き昆布が色合いも美しく仲間入りしました。野菜の下にはイカやホタテが豪快に盛られ、味つけには、がごめ昆布とエシャロットを加えたビネガーソースを添えて。魚介類の旨みが引き出され、とろみのある新たな食感も楽しむことができます。
 

■ 黒みつがごめ

料理研究家の木下あやこさんも「おいしい函館バスツアー」で得た昆布に関する知識を生かして、黒みつとがごめ昆布を合わせた「黒みつがごめ」を考案しました。ところてんなどにかける黒みつは、盛った際にどうしても下に溜まってしまうもの。黒蜜とがごめ昆布を合わせることでとろみがつき、ところてんの上にしっかりのった状態で、きれいな盛り付けができるようになりました。

 

■ はこだて がごめ飯

居酒屋などを展開するGUT’Z経営の岸部悟司さんは、2013年から「がごめ家」で「はこだて がごめ飯」を提供中。がごめ昆布の混ぜご飯に、がごめ昆布で締めたイカ刺し、たらこ、カニのむき身などが盛られた丼めし。途中でかつおだしの吸いものをかけて「ひつまぶし」のようにして食べることもでき、いろいろな味わいや食感を楽しめるメニューです。

 

■ がごめ昆布のゼリー

函館短期大学付設調理製菓専門学校で教鞭を執る吉田徹さんは、がごめ昆布料理研究の第一人者。がごめ昆布の粘り成分を抽出し、ところてん状に固めたものを考案し、「函館がごめの雫」として商品化されました。近年、ところてんよりも柔らかいものを作ろうと配合を工夫し、がごめ昆布のゼリーを試作。透明感の高いゼリーができました。自家栽培のハーブ「マローブルー」を用いた特製シロップに浮かべて、スイーツ仕立てに。無色透明のシロップにレモンを搾ると、鮮やかなピンク色にゆっくりと変化し、目も楽しませてくれます。